静けさへの入り口
茶の時間に、ただ「足を踏み入れる」ということはありません。
そこへは、静かに「たどり着く」のです。
障子が、そっと開く。
履き物は外に残される。
それは単なる習わしではなく、
ひとつの静かな約束。
——この先へは、
外の世界を持ち込まない。
室内は、驚くほどに簡素です。
畳。
床の間の掛け軸。
そして、一輪の花。
それだけ。
それ以上でもなく、
それ以下でもありません。
けれど、その場に身を置いた瞬間、
ふと気づかされるのです。
自分の内側に、
どれほどのざわめきがあったのかを